ガワラジオ

個人的な出来事の整理用。

予定も無いのにレンタカーだけ借りた日

ー7月22日 午後 予定は無い。

 

流行りの新書を紹介しあい、本質という言葉を闇雲に並べるだけの、至って面白味の無い読書会に参加した後、主催者からの熱烈なセミナーの誘いーーネットワークビジネスの類だったのだろうかーーを断り、かくして日曜日の午後の予定を白紙に戻したのだった。

 

そして、レンタカーを借りてみる。今月頭ボーナスが出たこともそれを後押しした。行先のアイデアは無く、誘う女もいない。ー幸い1時半後に会社の同期(男)が助手席に座ってくれた。なんと素敵なことだろうか!ー

 

僕は天性のミニマリストであった。ポイントカードは絶対に持たない。料理は時間と金の無駄であるというのがここ数年の主張であった。

 

しかし、ちょうど会社の寮を出て、錦糸町というガチャガチャとした街に越してきてからであろうか。ーその引越し自体が相当な無駄であったがー 無駄なものを集め、無駄なことを甘んじて行うようになったのである。

 

ミニマリズム。美しい響きである。よく観察してみれば、世の中の殆どのものは意味のない無駄な物である。恐らく、正しい。しかし、恐怖である。

 

ミニマリズムの先に、自分の尊い人生すら「仕分け」せざるを得なくなるのではないか。という非常に強い恐怖は、僕を、無駄な、取るに足らない、他人が価値を見出せない物に執着せしめるのであった。

 

「何かを愛するという事は、何かを愛さない事と同義である。」というのは僕の主張であるが、ミニマリズムによって多くの、取るに足らない、些細なものに振り分けてしまっていた愛を、本当に大事なものに振り直せるのかもしれないのは見過ごせない観点であろう。

 

とはいえ、恋人や友人そして彼らとの素晴らしい人生。ミニマリズムの終着点にそれが残る保証が無ければ、如何に生きようか。